酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

海馬―脳は疲れない

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

文庫本になって、さらに新しい対談の一章が付け加わったというので、再度入手して読んでみました。脳の不思議さはもちろん「人間の可能性」に対してとても広々とした展望を与えてくれる本だと思いました。
安易な精神論の提示ではなく、池谷氏による最新脳科学の知見と(批判はあるものの)クリエイティブの世界で名をなした糸井氏が綾なす対談は、人間の創造性の不思議さを垣間見せ、また「人の限界は自分自身によって決められる」という気持ちにさせてくれます。途中出てくる錯視の話などを読むだけでも、自分の感覚を絶対と思い込む愚かしさから自由になることができるでしょう。
色々な意味で「勇気付けられる本」でした。何度もじっくりと味わいなおしたい本です。