「火星の人〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF)」で知られるアンディ・ウィアー氏の翻訳ものです。「火星の人」同様に、限られたリソースを与えられた主人公が宇宙で奮闘する物語ですが、変わった形の「ファーストコンタクト」物でもあります。
最初はとにかくどうやってサバイバルして行くかから始まり、やがて最初は記憶喪失状態だった主人公が自らのミッションを思い出し、その解決に突き進む苦闘。そこに登場する異星人。
様々な困難を乗り越えて、これで解決かと思ったところからのどんでん返し。途中の理屈は追えずとも、ドラマとして面白い仕上がりになっています。
バッドエンドではありませんが、本作の終わり方にはいろいろ議論もあるでしょう。映画化が進んでいるようですが、20世紀なら確実に終わり方がいわゆる「ハッピーエンド」にまとめられてしまうでしょうね(笑)。