酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

脳と創造性 「この私」というクオリアへ

脳と創造性 「この私」というクオリアへ

脳と創造性 「この私」というクオリアへ

著者が「創造性」というものについての意見を述べた本なのですが…最初期待していたような最先端の脳科学に基いた議論が述べられているわけではなく、著者の願望に基く「長い長いポジションペーパーのようなもの」という印象を受けました。もちろんそうした意見表明そのものはどんどんやっていただいて構わないのですが、そうした目的のためならばもっと短くても良かったのではないでしょうかね…。変な例えですが、質問の許されない一方的な講演会を3時間ほど休憩なしで聞かされたような印象でした。ところどころ刺激的な部分も出てくるのですが、疑問も同時に膨れ上がって行くので(論理的に整合しないように思えるところも多々あるので)ストレスも溜まりました(^^;*1
もしくはきちんとした相手を立てての対談形式などの方が普通の読者には親切だったかもしれませんね。

*1:とはいえもっと時間をかけてじっくり読んでいけば違う印象を受けるのかもしれませんね