酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

いけちゃんとぼく

いけちゃんとぼく

いけちゃんとぼく

ちょいとおバカな、それでも確かに自分の身にも覚えがある少年の日々。そこに寄り添う「いけちゃん」なる正体不明の生き物(?)とのやり取り。もし現在大人の男性が読めばそうした気恥ずかしくも懐かしい日々を少し思い出すことでしょう。女性がこの本を読んでどう思うのかは私の想像を越えています。

作者の西原氏はこれまで好きになった男性達の子供時代の話を聞いたことに着想を得てこの絵本を仕上げたとのこと。
帯には「泣ける本」と書かれていますが、確かに最後に明かされる「いけちゃん」の正体は少し意外で、その「思い」に心打たれる人も居るのではないかと思います。ワンアイデアと言ってしまえばそれまでですが、それを西原氏独特の淡い色調で描き出しているところが、なかなか巧みな点だと思いました。