酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

私、おバカですが、何か?―偏差値40のかしこい生き方

久しぶりの本の紹介はちょいと脱力系。

私、おバカですが、何か?―偏差値40のかしこい生き方

私、おバカですが、何か?―偏差値40のかしこい生き方

高校で偏差値40だった女の子が社会に出て、ご本人のおバカぶり+学歴のなさから苦労を重ねているうちに、ふとしたことから早稲田の AO 入試に 25 歳で合格し、あらたな展望(2007年7月現在4年生で、某外資系企業の内定済み)が開けるまでを綴ったエッセイ。
本書は大きく2部構成に分れていて、第一部は「自伝」第二部は「受験ノウハウ編」といった感じです。

第一部で語られる著者自身の「おバカ」っぷりは、半ば読者受けを狙ったものなのでしょうけど、読んでいる方の頭が痛くなる程です(笑)。なにもかも中途半端、そして中途半端である事に気がつくきっかけもなかなか得られず、考えることの意味もまともに教えられることもなく、ただ日々ひたすら流されて段々選択肢が狭まって行く。。。
まあ社会人になって早稲田を受験するまでも途中何度か、語学留学を繰り返したりして、何かをしたいという気持ちはあるものの、目的がないので今ひとつ効果的でもありません。

そのまま過ぎて行ってしまう事も十分あり得たのに、著者は自分の運命を展開させるきっかけを、掴みました。著者の方法は誰にでも通じる方法ではないかもしれませんが、ちょっとしたきっかけが、いかに人生を劇的に変えるか、しかも単純な幸運ではなく、「自分で」決めて「自分で」進み「自分で」たどり着くことが、(一見)先の見えない人にもできるという例を示したという意味で貴重です。

高校生〜22歳位の、世の中を諦め気味の若い人にお勧めしたい本ですが、場合によっては大人がその内容を伝えてあげる役割を果たす必要があるでしょう。