酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品添加物=悪」という単純な思考停止では、私たちの生活を豊かにすることはできません。この本はかつて商社に勤め「食品添加物の神様」との異名までとった著者による、「考えるためのヒント」です。
著者はあるきっかけにより、食品添加物の世界を離れ、いまは無添加食品の開発や販売を行っているのですが、単純に食品添加物=悪という図式には読者を誘導したりはしません。
食品添加物によって大いに助かっている光の部分もあるのです。そこを意識せずに一方的に「買ってはいけない」「摂ってはいけない」とヒステリックに叫ぶだけでは、かえって別の大きな罠にはまるだけです。
著者の指摘する食品添加物を巡る大きな問題は

(1) 判断に十分な情報が消費者に開示されていないということ
(2) 見栄えと値段で賞品を選び、その意味を考えない消費者の行動

であるとしています。
飲食関係者だけではなく、すべての人にお勧めしたい本です。