千住氏の文章はいつも熱くて、何気なく見ている風景や対象の中に、いかに豊穣な意味が隠されているかを教えてくれます。もちろんそれはその意味を掬い取る読み手の技量にも依存していることで、「豊かな読み」のコツを身に付けることができれば、世界の様相が一変することを気付かせてくれる稀有な本です。
この本を読むと、週末にでも美術館に行ってみたくなること請け合いです*1。
なお、上記の「豊かな読み」というのは、北村薫氏の(出典失念!)以下の言葉によるものです。
正しい読み、間違った読みというものは存在しません。しかし豊かな読みと貧しい読みの違いはあります
*1:とはいえ「熱い」文章が苦手な人には辛いかも…(笑)