酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

「書」を書く愉しみ

「書」を書く愉しみ (光文社新書)

「書」を書く愉しみ (光文社新書)

二日続けてアート関係です。子供のころから字が下手でした (^-^;。仕事を始めた頃はドキュメントも手書きでしたから、相当な苦痛でした。現在のように、殆どの仕事を PC 等でこなせるようになって、心底ほっとしたものです。
そういう私からすると、書家という字を書くことでご飯を食べている人なぞは宇宙人のようなものなのですが、機会があってこの本を手に取りました。著者の武田双雲氏はまだかなり若い人のはずですが、大学では情報科学を専攻し一度はNTTに就職したものの、書への思い絶ちがたく、独立して書家をやっているという経歴の人です(お母さんが有名な書家で、子供の頃から書には親しんでいたということ)。
内容は字を書くこと、文字の歴史、書体の話、道具の話と多岐に渡り、文字を愛でることがいかに楽しいかを説く「書の誘い」になっています。
実は最初に挙げた理由で、私は年賀状の宛名も一時プリンタ出力にしていたのですが、ここ数年は逆に宛名は手書きにするようにしています。字の下手さはあきらめ、せめて住所宛名は手書きにしてみようかと考えたせいでもあります。折角こういう本を読んで刺激を受けたので、少しは字を書く愉しみを自分でも探ってみようかなという気持ちになりました(でもなかなか持続しないのですが)。