酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

世界最高の日本文学 こんなにすごい小説があった

世界最高の日本文学 こんなにすごい小説があった (光文社新書)

世界最高の日本文学 こんなにすごい小説があった (光文社新書)

まあ「世界最高」かどうかはともかく、ここに集められ紹介されている短編の数々(明治期のものが中心)は確かに「インパクト」のある作品ばかりです。
最初の岡本かの子の「鮨」はともかく、森鴎外「牛鍋」、三島由紀夫憂国」、泉鏡花「外科室」、武者小路実篤「お目出たき人」、川端康成眠れる美女」…と続いていくラインアップは、日本「変態」文学(かならずしも悪い意味ではありません)案内の風情です。
著者はインパクトのある短編を紹介することによって、本好きを増やそうという意図なのかもしれませんが、この本をきっかけに俄然本好きになる人はそれはそれで問題があるような…(笑)。
しかし、個人的には楽しく読める本でした。この本では夢野久作「少女地獄」を紹介しているのですが、久しぶりに「ドグラマグラ」を読み直したくなりました。