酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

女のケモノ道

女のケモノ道

女のケモノ道

岡崎京子氏といえば「ヘルタースケルター (Feelコミックス)」といったとてつもなく重たい作品が注目されがちなのですが、この本は女性三人の対談形式をとりながら、女性にとって気になる様々な話題をユーモアと批評精神と優しい愛情で見つめて取り上げた愛すべき作品に仕上がっています。おっとご注意、この本は女性三人のダイアログ(文章)が中心で、そこにコミックが添えられた形式になっています。
ご存知のように、この10年岡崎京子氏は交通事故の後遺症に対するリハビリを続けて作品を発表していません。この作品は断筆直前に雑誌に連載していたものをまとめたものなのですが、時の流れをほとんど感じさせない普遍性を保持しています。
比較的軽く楽しむことも、深読みして味わうこともどちらも可能な本だと思います。