酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!

赤塚不二夫氏が少年サンデーに連載した「レッツラゴン」という作品をおぼえている人は、途中から作品にしばしば登場した「タケイ記者」という人物をおぼえていることでしょう。この本はそのタケイ記者のモデルであり、長い間少年サンデーで赤塚氏の担当編集者を勤めた武居俊樹氏による回顧録です。
武居氏が新人編集者ととして少年サンデーに配属されて間もなく赤塚氏の担当となり、おそ松君からもーれつア太郎天才バカボンなどを経ておよそ赤塚ギャグの極北ともいえるレッツラゴンにたどり着くまでの濃密なやりとりや、次々と古い仲間を失う中で体調を崩していく赤塚氏の苦悩の様子が現場にいたものだけが描けるリアルさで語られます。
昭和の漫画の系譜を辿る上でも、史料価値が高い一冊でしょう。
また私にとっては、無二の天才でありながら弟子の育成にあまり成功しなかった手塚治虫氏と、はやばやと一種のプロダクションシステムを導入し部下に様々な仕事を任せることによって多くの才能を育て上げた赤塚氏の対比が興味深いものに思えました。
そして現在平成17年。平成14年に脳内出血で意識を失った赤塚氏は「まだ」生きています。本書の冒頭はその病室のシーンから始まり、そして途中の様々なエピソードが最後の一行へ向かって語られて行ったことが(当然ながら)最後にわかる仕掛けになっています。