酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

点子ちゃんとアントン

勝手にケストナーシリーズの3冊目。今回はベルリンにクラスお金持ちの娘点子ちゃんと、貧乏な男の子アントンの友情を中心とした物語です。この本も今まで読んだ2冊「飛ぶ教室 (講談社文庫)」「エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))」と同様に、様々な苦労に晒されながらも元気に前に進もうとする子供たちの姿が描かれています。また様々なエピソードがテンポ良く進み、飽きさせない工夫が織り込まれています。
今回の本は、ケストナー自身による解説が各章の終わりに書かれています。少々煩わしいと思う人もいるかもしれません。ある意味言わずもがなの道徳的主張が書かれているからです。とはいえ、そうした「道徳的」な言説を云々せずとも面白い物語であることには違いがありません。