- 作者: 吉村仁
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/12
- メディア: 単行本
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この本は英語で Magicicada (魔法ゼミ)あるいは Periodical cicada (周期ゼミ)とよばれるセミの生態について易しく解説した本です。タイトルの「素数ゼミ」という名は、この北米全域に分布するセミが各地に13年毎、あるいは17年毎の素数年周期で大発生することに由来しています。ちなみに直近の発生は2004年に東海岸で発生したもので、シンシナティには50億匹のセミが出現したそうです。
この本が面白いところは、ただ素数ゼミたちの生態を解説するだけではなく、「何故」そのような生態が出現することになったかを推理し、理論を提示し、それを論証するという形式になっています。もっともお堅い雰囲気ではなくて、中学生にも理解できるような語り口と綺麗なイラストが特徴です。
素数と進化の不思議な関係が説明されているわけですが、数理生態学という学問領域もなかなか面白そうだと思いました。
*1:店頭で表紙をみたときに一瞬アタマをよぎりましたが