イメージでわかる表現英文法 (「英文法の本質」をビジュアルで解説)
- 作者: 田中茂範,弓桁太平,神山きの
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2016/06/21
- メディア: 単行本
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友人のFacebookの書き込みをみて購入。
まずはパラパラと流し読みしましたが、あまりに面白いと思ったのでご紹介します。
英語/英文法と聞くと頭が痛くなるけれど、英語はなんとかしたいとお考えの方には特におすすめできるかもしれません。
タイトルが全てを物語っているのですが、英語表現の持つ「コアイメージ」(著者の用語)を理解することで、英語を暗記物ではなく、身体に覚えさせる感覚で学習させる教科書です。
この手の教科書としては非常に面白い書かれ方だと思います。
例えば "put" という単語は辞書を引くと沢山の意味が並びます。
〔物を〕置く、ある状態に~を置く、人の管理下に置く、〔頭の中にあることを〕言葉に置き換える、表現する、言う、〔~を…と〕見なす、見積もる、評価する、~を付ける、~を加える .... (英辞郎Proより引用)
しかし、こうした個々の「訳」を覚えて、いちいち「この put はどれに当てはまるのかな?」と考えていては、英語を楽に読むことはできません。
本書ではこれに対して、まず put のコアイメージを
何かをどこかに(動かして)位置させる
として提示します。このことから、「(机に本を)置く」「(箱にリンゴを)入れる」「(髪にリボンを)つける」という表現すべてに "put" が使えるということがわかります。
(19ページから引用)
いずれも「何かを」「どこかに」「位置させる」という表現のパターンに入っていることがわかります。これを一度理解すれば、英単語の「訳」を丸暗記するような苦行からは逃れることができます。
私も、例えば語源に遡ってコアになる意味を理解するやり方は、かなり有効なアプローチだと思っていましたが、本書はそれをコンパクトにまとめて分かりやすいイメージイラストなどを添えている点が素晴らしいと思います。
最初の章ではこのように、基本的な単語のコアイメージをいくつか解説したあと、第2章以降では、様々な文法の要素を同様にコアイメージとして提示し、それぞれの例文もを示しながら解説して行きます。
- 時制
- 助動詞
- 受動態
- 準動詞
- 文型
- 冠詞
などが順次取り上げられることになります。
書き方は平易で中学生でも十分に読みこなすことは可能です。これを早い時期に知っていることができるかどうかは、その後の「英語人生」(笑)を大きく左右するかも知れません。
逆にある程度英語に慣れ親しんだ方には、あまり新しい情報ではないかもしれませんが、人に英文法に関する説明をするときなどには大いに参考になりそうです。
ゴールデンウィーク用の一冊としていかがでしょう。