イヌイットは「雪」を表現するための何十種類もの言葉をもつと言われていますが、これは彼らの生活の中で雪が大きな役割を果たしていることに起因しています。
ひるがえって日本をみると、梅雨をはじめとして様々な雨の風景が私たちの生活を彩っています。直接的な雨の形容だけではなく、比喩としての雨の表現を沢山持つ日本語。本書はそうした「雨の名前」を集めた本です。
たとえば表紙に出ている雨の名前を見ているだけでも、中身に対する期待が膨らんで来ませんか?
狐雨、肘笠雨、虎が雨、雨濯、猫毛雨、雨礫、甘露の雨、青時雨、私雨、流星雨、養花雨、桜雨、分龍雨、翠雨、女梅雨、親方雨。。。
中身は季節ごとの雨の表現と、季節を問わない、あるいは比喩としての雨の名前に分類され、きれいな雨の写真やエッセイも掲載されています。開くと雨の匂いがしてくるような錯覚に陥る、愛すべき小さな本です。
Amazon からの引用:
「雨の名前」422語、「雨の写真」148点、「雨の詩とエッセー」35篇。雨の日を3倍に楽しむ本。辞典+歳時記+エッセー+写真集のアンサンブル。