新シリーズ「今日の言葉」
今日は荀子の「争気ある者とは与に弁ずる勿れ」という言葉について解説します。
この言葉は、古代中国の思想家である荀子(紀元前313年頃 - 紀元前238年頃)の著作『荀子』の「勧学篇」に登場します。「争気ある者とは与に弁ずる勿れ」(読み:そうきあるものとはともにべんずるなかれ)とは、「やたらに人と争い競う性質の者とは、物事の是非を語り合うことはしない方がよい」という意味です。
背景と意味
荀子は、性悪説を唱えたことで知られ、人間の本性は悪であり、教育や礼法によってそれを矯正する必要があると主張しました。この文脈で「争気ある者」とは、以下のような性質を持つ人を指します:
- むやみに人と争い競う性質のある者:常に他人と競争し、対立を好む人。
- 何でも自分の一存で仕切らなければ気の済まない者:自己中心的で、他人の意見を受け入れない人。
- 他人に対してつねに敵意の牙をむいている者:他人に対して常に敵意を持ち、協調性がない人。
実践的な教訓
荀子のこの教えは、以下のような実践的な教訓を含んでいます:
- 無駄な争いを避ける:争気ある者と議論することは無益であり、時間とエネルギーの浪費になるため、避けるべきである。
- 建設的な対話を重視する:礼節を持って対応してくれる人と会話することで、より建設的な議論が可能になる。
- 自己の成長を促す:無駄な争いを避けることで、自分自身の成長や学びに集中できる。
現代への応用
この教えは現代においても有用です。例えば、職場や日常生活において、無駄な争いを避け、建設的な対話を重視することで、より良い人間関係を築くことができます。また、自己中心的な態度を改め、他人の意見を尊重する姿勢を持つことが重要です。
荀子の「争気ある者とは与に弁ずる勿れ」は、古代の知恵でありながら、現代においても普遍的な価値を持つ教えです。