- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/07/26
- メディア: 単行本
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しかしこうした作品は、書くことそのものが作者自身の癒しもしくは救済になっているのだなと改めて思います。
作品に深く入り込むためには、そうした作者の痛みを共有できるほどに読者も内省しなければならないのかもしれません。この作品は子供の頃酷い虐待を受けた男の話ですが、決して後味が悪いわけではないものの、どうにも収まりの悪い思いが胸に残りました。まあそのバランスが作者の力量というべきものなのでしょうけれど。