酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

「弱者」とはだれか

「弱者」とはだれか (PHP新書)

「弱者」とはだれか (PHP新書)

とても難しくデリケートな題材を扱った本です。社会的「弱者」が聖域として扱われ、それ故にかえって「弱者」の城の中に囲い込まれてしまうという矛盾した現状を主題としてとりあげ、その難しさを論じています。その試みの過程はまさに茨の道で、書かれる言葉の一つ一つが凶器となって著者自身にも襲い掛かる感があります。
それほど、弱者や差別の文脈における「聖域化と思考停止」の現状は悩ましい問題なのだと思います。しかし決して露悪趣味に陥ることなく、冷静にこの問題を議論できる下地を私達の社会に打ち立てたいという気持ちは伝わりました。