酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

売文生活

なかなか興味深いテーマです。明治の文豪から平成のライターまで、ややもタブー視される原稿料の切り口からその生活スタイルを追おうとしたものです。ペンで食べることがそもそも職業として成り立つか否かもわからない時代の文士たちの生活スタイルや、太平洋戦争後の出版ブームの作家達の収支、更にはノンフィクションの大家立花隆氏やフィクションの大家筒井康隆氏の台所事情を出版点数や売上数の推移から議論しています。あまりこうしたことをまとめて読む機会は多くないので面白く読むことができました。
ただゴシップ的には面白い内容なのですが、掘り下げ方とまとめ方が少し物足りないと思いました。もっと損益計算書貸借対照表を意識したシビアな論評も欲しかったところです(笑)。エンターテイメントとしても。