酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

防衛漫玉日記

防衛漫玉日記 (2) (Beam comix)

防衛漫玉日記 (2) (Beam comix)

(上のリンクは第2巻のものです)2,3の場所で立て続けに桜玉吉氏の話題を読む機会があったので、とりあえず何か読んでみようと思って買ったのが「防衛漫玉日記 (1) (Beam comix)」でした。私小説というものが日本文学のお家芸だと言われていますが、この作品は「私漫画」とでも呼ぶべきものでしょうか。といっても西原理恵子氏のような泣かせのツボや偽悪的な描写は避けられており、フィクションとノンフィクションのない交ぜになった不思議な世界(いちおう建前はノンフィクション)が描かれています。
この独特な雰囲気は、主人公の桜玉吉氏の心の呟きが話を進めて行くスタイルに拠っているところが大なのでしょう。読み進めながら、読者が作者の心象風景と重なる視点にうまく同期(シンクロ)することができれば独特な世界を楽しむことができると思いますが、うまく乗れないとツライかもしれません*1。私も最初なかなかエンジンがかかりませんでしたが、2話ほど読むうちに段々その世界に浸れるようになってきました (^-^;。
「幽玄漫玉日記」「御緩漫玉日記」とシリーズが続いているようですので、更にいくつか拾い読みをしてみたいと思っています*2

*1:このため、しばしば「読み手を選ぶ」と形容されるようですね

*2:現時点で全巻読破するか?と聞かれるとビミョ〜ですが(笑)、読んでいくうちに益々味が出てきそうな予感もします