酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

封印再度―WHO INSIDE 講談社文庫

森 博嗣 (ASIN:4062647990)
犀川、西之園コンビの第一幕最終話は、50年前に起きた不可解な殺人(自殺?)事件と、現代に非常に似通った状況で起きた殺人(自殺?)事件をリンクさせながら話が進みます。密室トリックは単純ですが、「凶器」の設定は凝りに凝っています。
ここまでの一連の作品の中ではもっとも動機が複雑(不可解?)なものとして描かれています。多分読むたびに違う印象を受けることになるでしょう。
なお、池波志乃氏の解説を読んで、改めてこんな素敵な文章を書ける人なんだと感心しました。
ところで、他の巻では日本語のタイトルと、英語のサブタイトルは直接関係ないのですが、この巻だけは日本語と英語が駄洒落になっているのですね。これは何か含みがあるのでしょうか(笑)。