酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

吟行・句会必携

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久しぶりに訪れた近所の書店で、詩歌の棚を眺めているときに目に止まった書籍です。テーマ毎に類似の(というか連想させる)言葉が並び、それらを用いた俳句の例が書かれています。季節ごとに整理された歳時記とは異なり、上の写真にあるように例えば「庭園」という大きな見出の下に様々な連想させる言葉がならんでいます。(*マークが付いている言葉は季語でもあることを示しています)。

「吟行・句会必携」という書名は伊達ではなく、コンパクトで軽い装丁で気軽にカバンの中に入れて持ち歩くことができます。

一種の類語辞典と考えることもできますが、類語辞典と違うのは言葉の説明は書かれていないということです。主に俳句のための発想を得るという目的のためには、言葉で書かれた説明を離れて、言葉そのものの字面や響きを頼りに逍遥するのもまた楽しい体験でしょう。フリガナがふられているのもその目的に沿ったものでしょう。

別に詩作をせずとも、パラパラとめくっているだけで様々な言葉に出会える楽しい書籍です。とりあえず自分のカバンにも入れています。掲載された様々な俳句を読むうちに、朴念仁の私でも何か詠みたくなるかもしれません(笑)。

吟行・句会必携

吟行・句会必携

 

 

for peanuts

Peanuts

for peanuts

非常に少ないお金のために、ほぼ無償か最低限の金額で

 ピーナッツが格別な安さの代名詞だとも思えませんが、for peanuts という表現は、何かを「とても安く」売買したり請け負ったりすることを示す表現です。

  • I managed to get tickets! Suzy's brother has a connection in the stadium, so we got them for peanuts! (なんとかチケットを手に入れた!スージーの兄弟がスタジアムにコネを持っていたので、ほとんどタダ同然で手に入れることができた!)
  • I had a few jobs during college working for peanuts, but it was the only work I could get that fit in with my schedule.(大学時代の仕事は低賃金だった。しかしスケジュールに合う仕事はそれしかなかったのだ)

似たような表現に

chicken feed

 というものがあるようですが、こちらは直訳すると「鶏の餌」ですね。

  • I won’t work for peanuts! They expect me to do all that for chicken feed. (安い賃金では働きませんよ!彼らは僕にそれをわずかな金でやらせようとしているんです)

ということで ...

Working for peanuts

となると「わずかばかりの金のために働く」という意味になりますが、それをひねったチップ・デールのアニメーションが作られていますね。まあ一種のダジャレですが。

 

www.youtube.com

解説:Working for Peanuts - Wikipedia

get 〜 under one's belt

Belt

get 〜 under one's belt

~を物にする、~を身に付ける、~を成し遂げる、~を達成する、〜を飲み食いする

ベルトの下に何かを入れる ... ということで、「飲み食いする」という直接的な意味もあるのですが、「何かを学んで身につける」とか「なにかを達成する」という意味が派生しています。

  • The legendary batter had gotten more than 2000 runs under his belt by the time he retired.
  • その伝説のバッターは引退するまでに2000本以上の安打を放った
  • Once he got the proper technique under his belt, Jacques had no problem finishing the project on his own.
  • 一度正しい技術を身につけてしまえば、ジャックが自分のプロジェクトを終わらせるのには何の問題もない
  • My father could become quite nasty whenever he got a bit of booze under his belt. That's why he gave up drinking.
  • 私の父は少しばかりの酒を飲むと、いつでもとても面倒くさい男に変身した。それが酒をやめた理由だ

go a long way toward 〜ing / have a long way to go / way to go

 

Long Way Home

go a long way toward 〜ing

〜するのにとても役に立つ

 「〜するのに長い道を行く」と直訳するとなんだか良く分かりませんね。

これは 「〜 という行為に対してずっと付き添ってくれる」ということから、「〜するためにずっと使える」すなわち「〜するためにとても役立つ」という意味になったようです。

Doing regular backups can go a long way toward easing the pain of a virus attack.

定期的なバックアップを行うことは、ウイルスの攻撃による苦痛を和らげるのに大いに役立ちます。

とか

A little knowledge of Spanish will go a long way toward making your trip to Mexico enjoyable.

スペイン語の知識が少しあれば、あなたのメキシコ旅行を楽しくする上で大いに役立つでしょう。

といった用例がみつかります。

実はこれと似ているのですが、意味は異なる表現があります。

have a long way to go

まだまだ先は長い 

 この場合、「行くための長い道がある」ということなので、「まだまだ先は長い」という意味になります。

I've learned a lot about computers so far, but I still have a long way to go.

これまでコンピューターに関しては沢山学んできたが、まだまだ学ぶことは沢山ある

ところが、これをさらに縮めるとまた別の意味になります。 

Way to go

やった!/でかした!/その調子!

アメリカの口語表現として、何か素晴らしいことをやり遂げた人に向かって、呼びかける言葉として "way to go" が使われます。

ただこうしたくだけた表現の常として、違う意味で使われることもままあります。

例えば

やるべきことがあるでしょ

 といった皮肉や

あ〜あ、やっちゃったね

 という「やったね!」とは反対の意味を持つ場合です。

こういう表現は実際に使われている場に何回か出くわさないと身につきませんね。