酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

飛ぶ教室

飛ぶ教室 (講談社文庫)

飛ぶ教室 (講談社文庫)

ご存知ケストナーの代表作のひとつ。ギムナジウムの少年たちのクリスマスを挟んだ冒険譚を活き活きと描いたものです。実は小学校低学年のころに一度読んでいた筈なのですが、今回読み直して随分印象が変わりました。まあ当然といえば当然で、大人が読むと随分陰翳に富んだ物語だということがわかります。登場人物たちが、正しくあろうという志を持ち、自分の勇気のなさを知っている故に他人への思いやりを持つ人々であることが、大変印象的です。涙もろい人は要注意(笑)。
翻訳が少し古いせいか、最初少し読みにくい印象も受けたのですが、ともあれジュブナイル小説のお手本になるような本だと思いました。ちょうど季節もクリスマスですし、子供たちはもちろん、大人の方にも読んで貰いたい本だとおもいます。
同じ作者の「エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))」と「点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)」も既に入手済みで読書待ちキューに入っています (^-^)。