酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

アグネス・ラムのいた時代

アグネス・ラムのいた時代 (中公新書ラクレ)

アグネス・ラムのいた時代 (中公新書ラクレ)

本書は 1950 年代に映画女優を撮影し続け、60 年代には渡辺プロダクション専属カメラマンとして芸能人を撮り続け、そして70年代以降はその流れの延長線上で数々のアイドルや日活ロマンポルノの主演女優そしてフォーク歌手たちの夥しい写真を遺したカメラマン長友健二氏(2006年7月没)に、写真を撮影した当時の思い出話を語ってもらい、それを長田美穂氏が聞き取り原稿として書き起こしたものです。
カメラマンの視点から語られる芸能人の素顔は、社会的記号としてのタレントではなく、目の前で息をしているひとりの人間を描き出しています。
現在50歳前後のひとにとっては、懐かしい話が満載です。
芸能界に詳しいひとなら常識なのでしょうけれど、「キャンディーズは最初、ラン、ミキ、太田裕美の予定だった」なんてトリビアも書いてあってニヤリとしました。