酔眼漂流読書日記

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正義の味方

サルでも描けるまんが教室」の原作者としても有名な竹熊健太郎氏のブログに「「正義の味方」という言葉を作ったのは川内康範先生だということはご存じでしょうか」というエントリがありました。
確かに、月光仮面は「正義」そのものではなく「正義の味方」です。あまり気にしていませんでしたが、考えれば妙な言葉とも言えます。

ところで「正義の味方」という言葉を作ったのは川内康範先生だということはご存じでしょうか。主題歌『月光仮面は誰でしょう』の中に、「月光仮面のおじさんは 正義の味方よ善い人よ」という一節がありますが、まさにこれが日本最初の使用例なのです。俺が「なぜ正義ではなく、味方なのでしょうか」と尋ねましたところ、

「(月光仮面の発想は)月光菩薩という仏に由来しているんだけど、月光菩薩というのは脇仏(わきぼとけ)でね、決して主役じゃないんだ。つまり、裏方なんだな。だから“正義の味方”なんだよ。この世に真の正義があるとすれば、それは神か仏だよな。だから月光仮面は神でも仏でもない、まさに人間なんだよ」

川内康範先生の想い出(2): たけくまメモ

「正義」であればそれに「味方」する。限界のある人間としてはそれがまあ一番誠実な態度かもしれません。自分が「正義」そのものと思っていると碌なことにはなりませんから。