酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

ハスラー

四本目の映画はポールニューマン主演「ハスラー」。
製作は1961年という「古典」映画です。腕のいいハスラー(賭けビリヤードの勝負師)でありながら、酒のせいで大勝負を失った男のそれからの転落を描いたものです。
駄目な人たちが、その価値観故に、さらに駄目になっていく様を描いた教育映画でしょうか(笑)。機内誌の解説を読むと日本語の解説には「(略)すべてを失った彼は、己の存在を賭け、宿敵”ミネソタのデブ”に挑む。。。」と、一種敗者復活戦的な前向きな解説が書いてあるのですが、英語の解説を読むと「(略)Felson*1 might lose both his girlfriend and his soul.」なんて書いてあって、あまり救いがありません。で、実際の映画をみてみるとやはりあまり救いがない終わり方になっています。
確かに最後に主人公は勝負に勝つのですが、それは決して清々しい勝利ではなくそこに居合わせるもの全てに(主人公を含めて)砂を噛むような味わいを残すようなものです。機内で見る「娯楽」映画としては少々重たい内容かもしれません。

ハスラー (映画) - Wikipedia

*1:ポールニューマン扮する主人公のエディ・フェルソンのこと