日本経済新聞
2005年度に全国の公立小学校で起きた校内暴力の件数は前年度に比べ6.7%増の2018件で、3年連続で過去最多を更新したことが13日、文部科学省の調査で分かった。先生が被害者となるケースが4割近く増えており、突発的に暴力を振るう子どもにどう対応するかが課題になっている。
テレビや新聞などでも教育の問題、躾の問題としての論評はよく聞くのですが、私はあえて「食」の問題を指摘しておきたいと思います。
「食」が人間の「心」にどれほどの重要な影響を与えるかは、あまり社会的に認知されているとは言えません。しかし、毎日摂取する食事のバランスの崩れが奇矯な振る舞いに及ぶ精神状態を作り出す可能性にもっと着目するべきでしょう。
このような突如として「キレる案件」をみると、いわゆる「低血糖症」の疑いが拭えません。低血糖症は普通の知識では、糖尿病治療時に現れる特殊な副作用であって、糖分を補給すれば治る症状ですが、ここでいう「低血糖症」は白砂糖や精製穀類の過剰摂取が、膵臓に負担をかけることによってひきおこされる慢性疾患です。
最近の子供をとりまく栄養環境は最悪です。忙しい親は所謂出来合いの総菜などを使って、ついつい手軽に見栄えのよい食事を整えがちです。またひどいケースではそもそも家庭では栄養に配慮したまともな食事がでて来ないで、学校の給食でかろうじてバランスをとっている児童もいるようです。こうした食事の大きな問題として(隠された)糖分のとりすぎ、あるいは精製小麦粉(要するにラーメン、パン、パスタの類)による炭水化物の過剰摂取が懸念されます。これが「低血糖症」に移行すると、まさに「キレる」心が出現します。
学校でこのような暴力的な事案が起きるたび、おおくの議論が「社会の問題」「教育の問題」「躾の問題」に向かう中、最も基本的な議論が見逃されているような気がしたので、あえてここに述べさせていただきました。上では「低血糖症」について述べましたが、これ以外にも多くの精神疾患が食事とリンクしています。
以下の本は既に何回かここでも紹介していますが、大切な問題なので、また紹介します。
参考:
- 作者: パーボエイローラ,Paavo Airola,大沢博
- 出版社/メーカー: ブレーン出版
- 発売日: 1996/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 生田哲
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2005/02/16
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脳と心をあやつる物質―微量物質のはたらきをさぐる (ブルーバックス)
- 作者: 生田哲
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/10/15
- メディア: 新書
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- 作者: 大沢博
- 出版社/メーカー: 第三文明社
- 発売日: 2003/02
- メディア: 単行本
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