酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

死にカタログ

前回「次は導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)です」と書いたのですが、予定を変えてこちらを紹介します。

死にカタログ

死にカタログ

変わったタイトルですね、「死に方+カタログ」を縮めて「死にカタログ」。といっても、「完全自殺マニュアル」のような死ぬ方法のノウハウを伝授する本ではありません
この本は「死」というものにまつわる、様々な事実を淡々と積み重ねていくことによって「死」を、客観的に眺める機会を与えてくれる本です。作者の寄藤文平氏はJTの「大人たばこ養成講座」などを担当しているイラストレータですが、小さくて気の利いたイラストによって、ともすれば重苦しい気分になりがちなこの手の話題を冷静に考えさせてくれることに成功しています。
取り上げられている切り口は、死に場所、死因、歴史上の人物の死への道筋、死への態度、などなど*1
「死」というものを過度に恐れたり、意識の外へ追い出していざというときに慌てたりすることがないように準備するための役に立つ本ではないでしょうか。

*1:あまり本筋とは関係ないのですが、忠犬ハチ公は全生涯の 81% に相当する 9 年間ご主人を待ち続けていたんですね