酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

図解主義!

図解主義!

図解主義!

最初店頭で表紙を見たときは、ありがちな「ダイアグラミング技法」の一つかと思ったのですが…実はこの本の主題は「図解技法」そのものではなく、金融派生商品を抽象化、パターン化してその類似性を示し、複雑な金融スキームの話を手短にかつ抜けを回避しつつ理解するための基礎を与えてくれる、実にユニークな本なのでした。
一見ダイアグラミングのテクニックを考えているようでいながら、よくよく議論に目を凝らせば、そこではビジネスモデルを理解/分析する際の着眼点の違いが議論されているのだったりします。様々な金融商品について知りたい初学者はもちろん、ある程度の経験者でも自分の頭の中に構築されているパターンの再検証という意味で読むことができるのではないでしょうか。