- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/09/07
- メディア: 新書
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いろいろ楽しめる内容なのですが、少し気になる部分も。例えば以下のようなくだり(226ページ)
私も、現代物理学や現代思想や現代文学や現代美術の世界にどっぷりと浸かっているときに、ふと、より直感的で単純でわかりやすいモノ的な世界に帰りたい、という奇妙な望郷の念にかられることがあります。
しかし、人類は、すでにコト的な世界へと大きな一歩を踏み出してしまったのです。
もはや、後戻りは許されないのです。
まあほとんど揚げ足取りのような感想なのですが、「許されない」という言葉は何を表しているのでしょう。「誰の」許しを得られないというのでしょうか。人間は直感的でわかりやすいモノ的な世界に「帰る」ことはいつでも可能であり、その自由を楽しめることこそが面白いところなのではないでしょうか。
「いや本当はその先に真理があるのだから、そこで安住するのは知的怠慢だ」という意味なのかもしれません。それは科学者の態度としては「正しい」と思いますが、わかりやすく単純な世界での「リフレッシュ」も必要だと思います (^-^;。