酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

のだめカンタービレ #11

のだめカンタービレ(11) (KC KISS)

のだめカンタービレ(11) (KC KISS)

この漫画は質的変化を遂げました。最初はお気楽な学園コメディだったのですが、気が付くと本格的音楽漫画。ここまで掘り下げたコミックは過去ほとんどなかったのではないでしょうか。例えば今までのこの手の漫画だと、主人公が海外に雄飛するというところでエンドマーク(ハッピーエンド)というオチが多かったのですが、このシリーズでは海外に行けた=成功という図式から更に一歩踏み出して、その先のリアルな世界を描こうとしています。そのリアリティの程度はわかりませんが、少なくとも日本で読んでいる一般読者にとっては、珍しく面白いエピソードが詰め込まれた秀作です。
読むと思わず背中を伸ばしたくなります。これからの主人公達の活躍がますます楽しみですね。

ところで103ページ目に、パリで売っているというお米「日の出」が出てくるのですが、Shinode とアルファベット表記されています。フランス語では "h" を発音しないので、 Hinode とすると 「イノデ」になってしまうからでしょうかね。せめて江戸訛りに、と…(笑)