酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

The Whisky Distilleries of the United Kingdom

Alfred Barnard (著), Richard Joynson (序論) (ASIN:1841582662)
素晴らしい本です。初版が出版されたのが1887年。それから100年以上もほぼ同じ内容で出版され続けているというのがまず驚きです。私が入手したものは2003年に重版されたものでした。
内容はこの本が最初に出版された19世紀末のスコットランドならびにアイルランドのウィスキー蒸留所を紹介したものです。本を入手したときに本の天地そして小口が金色に塗ってあるのにも驚きましたが、内容をみると初版当時の雰囲気をそのまま残す、古い活字、レトロなイラストのオンパレードで、あたかも古い図書館の片隅で忘れられた古い文献でも読んでいるような気持ちになることができます。
紹介されている蒸留所には、Argyll, Longrow, Lochindaal, Stromness, Burnside などなど今は閉鎖されてしまったものも数多く含まれています。各章の冒頭を飾る昔ながらの飾り文字も見ているだけで、嬉しくなってきますね。本の最後の方では当時の様子を伝える広告の数々が紹介されていて、これも楽しめます。
スコットランドアイルランドの歴史、そしてもちろんウィスキーに興味があれば、是非手にとって眺める(読む)価値があると思います。