酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

気まぐれコンセプト クロニクル

気まぐれコンセプト クロニクル

気まぐれコンセプト クロニクル

ホイチョイ・プロダクションズによる、長期連載「気まぐれコンセプト」の 1984 - 2007 の 23 年間にわたる作品を適宜抜粋したもの。出版、放送、広告といういわゆる”ギョーカイ”の人々の生態をコンスタントに描き続けた本作は、結果として帯にもあるように決して歴史の教科書にはかかれない、貴重な風俗史となっています。
この 23 年の間に、電話は携帯になり、机の上の書類の山はメールの添付ファイルとウェブページに化け、灰皿はオフィスから駆逐され、人々の首には IC カードがぶら下がるようになりました。そうした環境の変化のなかでも、変わらない人間の欲望や単純な動機をみてとることができます。
まあ一度に読む必要はなくて、思いついたときにその年代のあたりを拾い読みすると良いでしょう。
たとえば私は1988年から1994年にかけて日本に居なかったので、いわゆるバブルの「実態」がいまひとつピンときていないのですが、この本でそのあたりの該当部分を読むとなるほどと思うことがいくつかありました。