酔眼漂流読書日記

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オブジェクト指向入門 第2版 原則・コンセプト

オブジェクト指向入門 第2版 原則・コンセプト (IT Architect’Archive クラシックモダン・コンピューティング)

オブジェクト指向入門 第2版 原則・コンセプト (IT Architect’Archive クラシックモダン・コンピューティング)

大変長らくお待たせいたしました。やっと「半分」翻訳出版されます。この前半だけでも960ページになってしまいました。通常の本の4冊分ですね。後半についても引き続き作業中です(後半もだいたい同じくらいの量がありますので、合計で2000ページ近くになります)。

原書1版の出版から20年近く、原書2版の出版から10年近くを経ても、この本に述べられた原則と議論が全く古びていないことに驚かされます。もちろんバートランドメイヤー博士のいうオブジェクト指向だけが全ての「オブジェクト指向」を代表しているわけではありません。この本はあくまでも「オブジェクト指向を道具として用いて、高品質のソフトウェアを如何に構築するか」について語り続けているのです。

高品質ソフトウェア構築のために形式仕様記述なども着目されつつある今日この頃ですが、本書で述べられる「契約による設計」の概念、そしてそれをささえる「事前事後条件」「不変条件」などの概念はより進んだトピックを理解実践するための基礎を提供してくれることでしょう。