酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

真犯人

真犯人 (講談社文庫)

真犯人 (講談社文庫)

今回の「検屍官シリーズ」は、ある種の内部不正が絡み、主人公のケイト・スカーペッタ検屍局長が窮地に追い込まれます。このシリーズの面白さはやはり細かいディテールの積み重ねですね。次々と繰り出される新しい捜査手段も現実とうまくシンクロしていて、読者を飽きさせません。また作者のコーンウェル氏がもとプログラマだったこともあり、マニアックな UNIX のコマンド操作(しかもウィンドウシステム以前の牧歌的な操作)ミスの話が出てきたりして、私のようなオールドエンジニアには楽しめました*1。ある人物が他人にメッセージを送ろうとして tty07 というファイルを作ってしまうというところもマイナーなネタですが笑えます。
ここまで来たら全シリーズを読み切るしかありませんね。先が楽しみです。
私にとっては主人公とほぼ同年代になった今、このシリーズを読み始めたことは良かったような気がします。

*1:しかし最近は Linux のおかげで、ふたたび話のわかる人が増えているのかもしれません