酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

走れメロス

青空文庫「走れメロス」太宰治

    • 注:ええとわざわざお断りするのも芸がありませんが、以下の感想文は冗談です。良い子の皆さんはこの感想文を学校のテストに書いてはいけません。赤点と職員室呼び出しが待っています(笑)。
    • 注2:もっと言えば「『走れメロス』を曲解した感想文はどう書ける?」と、ある人に聞かれたのがきっかけです。本当はもっと長いものになったのですが、余りにもエグいので(^-^;短縮致しました。済みません野暮な解説で。

さる事情があって、改めて読んでみたのですが。ううむ感想が難しい…少なくとも今読むと「友情と信頼の物語」とはとても読めません。メロスは友人の命をたやすく巻き込む無鉄砲で無計画な男だし(それどころか途中で疲れると「正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい」とまで心のなかで思う始末)。
悪役の王様は側近や家族市民を殺しまくるちょっとやそっとでは改心しそうにない冷血漢なのに、最後は変な物分りのよさを見せるし。その程度で「王様ばんざい」と叫ぶ市民の気持ちもわかりません。だって無実の罪で市民が数年に渡り毎日何人も殺され続けていたんですよ…下手をすると数千人以上が犠牲になっていた筈です。最後の刑場のシーンなんて虐げられた市民大集合なのですから、その場で大暴動が起きても不思議はなかった筈。映画アマデウスの中で、モーツアルトサリエリに向かって「曲の最後を盛り上げれば観客は拍手する(アンタが得意な方法だ)」と嫌味を言うシーンがありますが、あれでしょうか。
今でも中学の教科書に堂々と載せられているのでしょうかねぇ。