酔眼漂流読書日記

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歴史学ってなんだ?

歴史学ってなんだ? (PHP新書)

歴史学ってなんだ? (PHP新書)

歴史学って何でしょう?学校で習った歴史の授業のイメージでは、史実を時代順、地域別に羅列した、何の役にたつかわからない(せいぜい受験にしか役に立たない)代物と思っている人も多いのではないでしょうか。
この本は、歴史学についてあまり知らない人向けに、歴史学の概要を述べる入門書です。大きなテーマとして「史実は明らかにできるか」「歴史学は役に立つか」という問いを用いて、さまざまな論争や文献を引用しつつ、その全体像に迫ります。高校生にも無理なく読める内容だと思います。
なかなか刺激的な問いが多く含まれています。史実を突き詰めていくと、最終的にはその時代の人間の認識論まで到達することになり、そこでまたさまざまな議論が生み出されることがよくわかります。
一緒に「現代思想のパフォーマンス (光文社新書)」などももう一度読み返してみたくなりますね。
この本も参考文献が多く、読書リストの伸長に役立ちます(笑)。