酔眼漂流読書日記

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美は時を超える

美は時を超える 千住博の美術の授業 (光文社新書)

美は時を超える 千住博の美術の授業 (光文社新書)

以前ご紹介した「千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)」の続編という位置付けで出版された本ですが、前回のような大学の講義ではなく、今回はNHK人間講座「美は時を越える」のテキストを元に新書化を行ったものです。
今回は様々な作品に千住氏が肉薄しながら、画家の視線を共有し、その心の軌跡を千住氏の口を通して表現するという趣向です。日本画技法を使いながら世界的な作品を発表し続ける千住氏のメッセージは、つまるところシンプルで「美は時を超え、空間を飛び越える」というものですが、実作者ならではの濃密な観察眼とその熱い語りについつい引き込まれてしまいます。
本としては大変良いのですが、紹介されている各作品がやはり新書版では迫力不足なのが残念でした。実際の作品を見たくなってストレスが溜まります (^-^; まあ、実際にメトロポリタン美術館などに行けばよいのでしょうけれど。