酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

戀戀シネマ―早起きアナウンサーの、シアワセの素。

フジテレビ平日朝「とくダネ!」の司会者の一人、佐々木恭子さんのシネマエッセイ。といっても映画そのものの解説というよりも、映画を話題の種として、身の回り人々や出来事、個人的な想いを綴ったものです。読んでみた感想はなによりも「ものの見方が素直だなぁ」ということですね。何にでも興味を持ち、共感し、反省する様子が健気ですが、そうした事柄を読みやすい文章として綴れるのは、流石にコミュニケーションを仕事としている人だからでしょうか。
この人はずっと「優等生」だった筈ですが、もてあまし気味な自意識に苦しみ(まあ若者の特権のようなものですが)、自立と他者への依存心の間で悩む様子なども書き綴られています(それでも単行本にする際にかなり手を入れたという話ですが)。「負け犬の遠吠え」を面白いと思った方にもお勧めしておきましょう。
ところで某酒場のカウンターで他のお客さん達が「中野美奈子が好きじゃぁ〜」と叫んでいるなか、「佐々木恭子がいいと思うんだけど…」と言ったら、物好きだな〜という視線を受けたのを思い出します(笑)。