酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

ママに捧げる犯罪 (ハヤカワ・ミステリ 846) ハヤカワ・ミステリ 846

ヘンリイ・スレッサー (著), アルフレッド・ヒッチコック (編纂),
高橋 泰邦 (翻訳)
アメリカの短編小説家スレッサー氏の作品は、ヒッチコック氏が「ヒッチコック劇場」の題材として好んで取り上げています。その縁でこの本もヒッチコック氏が編纂したのでしょうか。この短編集に収められている作品も、皆最後にちょっとしたどんでん返しの用意されている面白いものばかりです。確かに1時間程度のテレビドラマの題材としてはうってつけでしょう。追い詰められて背筋がさむくなったり、余りにも人生の皮肉に涙が流れたり、小悪党の浅知恵が粉々に打ち砕かれることを目撃したり、ほのぼのとした結末なども楽しむこともできます。
とてもお勧めなのですが、含まれている16編の短編の翻訳の質が不揃い(すべて違う翻訳者によって翻訳されている)なのが少し残念ですね。