酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

2000/06/08 Thu.

塩尻へ日帰り。行き帰りの列車の中では死んだように寝る。最近暖かくなってきたせいかリュックサックを担いだ中年女性が増えてきた。

塩尻の駅前は段々店舗が死に絶えつつあるが、今日駅前にあったゲームショップが漫画喫茶になっていることを発見した。軽食も出すということが書いてあるので、新しい食事場所を開拓する気持ちで入ってみる。

案の定(?)昼食どきだが他に客はいない。どうやら以前はコミックの古本も売っていたようだが、その部分をつぶして在庫を転用し漫画喫茶にしたらしい。ゲームを売っていたスペースはそのまま残っていて、店内の半分だけが喫茶店である。それにしても流行っていない(客にしてみれば静かで良いが)。起死回生を狙っての改装だろうが、うまくやっていけるだろうか。ビーフカレー(480円)を食べて店を出る。最後まで他に客はいなかった。

帰りに町田のヨドバシカメラに立ち寄り、書籍コーナーでふと目に留まった

「コンピュータはむずかしすぎて使えない!」(アラン・クーパー 著、山形浩生 訳、翔泳社 刊)

を購入。この本は大変面白い。原題は "The Inmates are Running the Asylum" (狂人が精神病院を運営している)という風変わりなものだ。例えばデジタル社会でしたり顔で語られる「コンピュータリテラシー」がいかに胡散臭い考え方であるかを教えてくれる。基本的にインターフェイスのありかた(デザイン)についての示唆に富んだ読み物である。山形の翻訳はこなれていてとても読みやすい。

デザインといえば "Bringing Design to Software" の和訳が出ていることにも最近初めて気が付いた。日本語のタイトルは「ソフトウェアの達人」。こちらは残念ながら訳者の知識不足が読みにくい訳文をもたらしているようである。