
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
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友人のAK氏に勧められて読んだ本です。
面白い。
私にとっては、一言でいうならば「読む宮崎アニメ」でした。
緻密な情景描写の中でシュールで可憐な登場人物たちがドタバタを繰り広げます。ファンタジー恋愛小説とでも言うのでしょうか。
木屋町と先斗町の夜、下鴨神社の古本市、京大の文化祭、そして悪性の風邪が猖獗を極める京の街と舞台を変えながら、4つの短編が綾なすタペストリーは最後は空想と現実の区別さえ曖昧にして大団円を迎えます。
文体が独特で、レトロな雰囲気を醸し出しているのですが、70年代ころの青春小説の風情です。庄司薫をもっとポップにしてファンタジーのふりかけをまぶしたような感じですね(なんのこっちゃ)。
面白くはあったのですが、連続して読むと胸焼けを起こしそうなので(笑)、本作者の別の作品はまた時間を置いて読みたいと思います。