酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

NTTを殺したのは誰だ! (光文社ペーパーバックス)

藤井 耕一郎 (著)
日本の「通信規制緩和」はドミナントプレイヤーの NTT を瀕死の淵に追い込もうとしています。急激な収益構造の変化があまりにも巨大な企業を支えきれなくなりつつあるのです。しかしこの変化は誰がもたらしたものなのでしょうか。この本の著者は米国等の白人国家の「陰謀」の匂いを嗅ぎ取っています。誰かの陰謀でなかったとしても、では、現在のような状況は本当に私たちが望んでいるものだったのかは考える意味があるでしょう。
急激な構造の変化に私たちは「これが世界の経済の流れだから」と諦めがちになりがちです。
でも中国に生産拠点をどんどん移したり、食料の大部分を外国に依存したり、品質の悪い電話回線を使ったり、Windows を使ったり(笑)、ゆとり教育の結果(?)「憂い」という言葉の意味がわかる者がいなかった13000人もの4年制私大生を生み出したり、オフショア開発は安いからどんどん外注しようと浮かれたり、イチローや松井を米国に獲られたのに「挑戦」と表現することが、「本当に」私たちの望んでいたことなのでしょうか。
書いているうちに、段々背筋が寒くなってきました (^-^;