酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

いま、会いにゆきます

この日読んだのは、現在ベストセラーになっている「いま、会いにゆきます - 市川 拓司 (ASIN:409386117X)」ではなくて、それを元に描かれた高田晴彦のコミック版。小学館ビッグコミックスペリオールで数回に渡って連載されたものです(映画との連動企画なんでしょう)。「まあ、『世界の中心で愛を叫ぶ』みたいなものだろう」と思っていてあまり関心もなかったのですが、日頃ファンである高田晴彦氏の作品でもあるので、ナナメ読みをしていました。
お話としては途中はどうということもない「ラブ」ストーリーでしたが、最後のオチは少し面白い仕掛けであると思いました。このことによって全体の見通しが良くなり、再読しても良い気持ちにさせます。また、この仕掛けのために、本書のタイトル「いま、会いにゆきますが」が非常に効果的なものになっています。
ちなみに原作の方はどうなっているのだろうと、店頭で小説をパラパラと立ち読みしてしまいました(本屋さん済みません)。これによると、設定等は幾つか異なっているようでしたが、中心となる仕掛けは同様でした。
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原作者の市川氏に対しては失礼な感想ですが、仮にこのアイデアを元に、北村薫氏が「時と人シリーズ」の一つとして仕上げたらどのようなものになっただろうか、としばし想像を巡らせました。
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いま、会いにゆきます

いま、会いにゆきます