酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで

サイモン シン (著), 青木 薫 (訳) (ASIN:4105393014)
以前に読んだ本のご紹介です。ここで話題になっているフェルマーの最終定理とは


3以上の自然数nに対してx^n + y^n = z^n
満たすような整数 x, y, z はない
というもので、問題の意味するところのわかりやすさに対して、その証明が極めて困難であった問題の一つです。定理自身は1995年にワイルズという数学者によって証明されたのですが、本書は数論の起源に遡り、興味深い話題を紹介しながら最終的にどのような道筋を通ってこの定理が証明されたかを解説したものです。難しい数式は特に出てきません。同様の解説書は何冊かあるのですが、この本は特に「感動的」な一冊でした、筋金入りの文科系を自認する方でも、もし「博士の愛した数式」(ASIN:410401303X)に興味をもたれるような向きなら、十分楽しめる内容だと思います。
その意味で極上のミステリーを読む感覚で楽しめる本でもありますが、知的エンターテイメントの最高峰の一つと呼んでも良いかと思います。読まずに死ぬのは勿体無いですよ (^-^;