酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

数学的思考 講談社学術文庫

森 毅 (ASIN:4061589792)
森毅氏のエッセイは好きで、ときどき読むのですが、この本は著者初めての「縦書き本」ということで、いわば論評の原点と呼べるものでしょう(書かれたのは1960年代です)。後の「森節」と呼べるものの片鱗は十分に感じさせられるものの、今となっては微笑ましい程の「熱気」を感じさせる時代の雰囲気を背負った内容は、正直少々読み解くのに疲れました。決して悪口を言っているわけではなく、その時代を共有できなかったことに対する少しの悔しさを感じています。
その時代に対する背景知識も必要なので、今度数学教師をやっている友人に解説を頼みながら改めて酒の肴として楽しませていただきたいと思います。