酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

琥珀色の夢を見る―竹鶴政孝とニッカウヰスキー物語

松尾秀助 (ASIN:4569633528)
前半は、大正時代に単身スコットランドに渡り、ウィスキー製造技術を持ち帰った竹鶴政孝の伝記的な章。後半は帰国後壽屋(現サントリー)でウィスキー製造を始めた竹鶴が、やがて独立し自ら設立したニッカウヰスキー成長の物語です。
全体にニッカウヰスキーのPR臭さはあるのですが(笑)、日本におけるウィスキー黎明期の物語としては興味深く読める本です。
最後の方に記述がありますが、そういえば谷村新司氏の最大のヒット曲「昴」は、そもそもニッカのCMソングとして依頼されたものだったということを、改めて思い出しました。谷村氏が曲作りの折に、創業者竹鶴政孝のウィスキーに賭けた人生の自伝を読んでイメージを掴んだというくだりは、やや出来すぎの感もありますが、いかにも「熱い話好き」の谷村氏らしいエピソードかもしれません。