酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

転落の歴史に何を見るか - 奉天会戦からノモンハン事件へ

齋藤健(ちくま新書) ISBN:4480059377

出版が2002年。通産省(現経産省)の役人でもある筆者が、日露戦争から第二次世界大戦の間に日本人に起きた意識の変化を追いながら、「転落」の原因を考察した著作。後半は「官」のあり方に対する率直な考察が述べられている。
組織論としても面白いし、「公」の意味を考えるための良い材料になる。文章も平易ですぐに読了することができるが内容は深い。

ミーハーな本好きの私としては、著者と司馬遼太郎氏の対談とか往復書簡を是非読んでみたかった。