酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

海峡を渡るバイオリン

朝鮮の寒村に生まれ、日本に渡り、戦中戦後に大変な苦労を重ねて独学でバイオリン製作を極め、いまや世界的なバイオリン職人になった陳昌鉉氏の人生を語った一冊。そもそも彼が独学でバイオリン製作を進めなければならなかったのも、根強い差別ゆえだったが、執念ともいえる意思の力で様々な困難をはねのけていく様子はとても印象的だ。励まされる一冊。