酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

一枚の写真

ある人のブログを読んでいたら、一年前に参加した花見の話が出てきました。そのとき結構な人数が参加していたけれど、ブログの彼女は花見の主催者でした。風の強い日で、苦労しながらもお花見は楽しく過ごすことができたことを覚えています。
そのとき私はデジタルカメラを持参して、参加者のスナップをいろいろ撮っていました、人数も多かったので特に写真を全員に配ったりはしていなかったのですが。。。
一週間後、その彼女から「お花見に参加していた XXさんが亡くなったんです、ひょっとして写真を撮っていらっしゃいませんでしたか?」という連絡が来ました。たまたま数枚、その亡くなった方がスナップに収まっていました。そのうちの一枚は亡くなった方と、主催者の彼女が冗談を言い合っているのか幸せそうに笑い合っている写真でした。
さて、そのブログに書かれていたのは、当時つきあい始めていたお二人の話で、これから沢山楽しいことをしようと約束していた直後に彼が亡くなってしまったということがわかりました*1。そしてブログには更に「机の前に貼られた二人が幸せそうに笑い合っているその写真が大きな支えになっていた」と書かれていました。
もうすぐ一年。そろそろあたらしい歩みを始めたいと書かれたそのブログには、でももう少しだけせめてその方が亡くなった日までは、いまのままの気持ちを抱いていたいとも書かれていました。
おだやかな春の日差しの中で、再び巡ってきた桜の風景が甦らせる思い出をうまく昇華させて、これからの人生を歩んで行かれることを願ってやみません。

(2006/3/28 追記)
写真はその花見の当日に撮影したもの。私からも旅立った方の墓前に供えさせて下さい。
合掌。

*1:どうも私は鈍感なので、その手のことがよくわからなかったのです